第56回作業療法士国家試験 午後8

1→反射性交感神経性ジストロフィーは、複合性局所疼痛症候群（CRPS）のひとつである。

2→尺骨突き上げ症候群が生じている合併症で考えられる。骨折により橈骨が短縮するなどの変形癒合や、尺骨が相対的に長くなり尺側の疼痛や轢音（れきおん：クリック音）が生じるものである。本症例の症状と合致する。

3→長母指伸筋腱断裂とは、その名の通り長母指伸筋の腱が断裂している状態である。レントゲンでは、腱の状態は映らず判断できない。

4→正中神経損傷の主な症状として、母指から環指橈側および手背の一部の感覚障害、支配筋の麻痺（猿手、祈祷手、tear drop sign など）がみられる。レントゲンでは、神経の状態は映らないため判断できない。

5→月状骨脱臼は、手関節および手の近位部の疼痛・腫脹・変形が起こる。本症例の「手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音」と症状が合わない。