1→作業種目を変更する場合にも同意は必要である。患者に対して、治療法（作業種目）のメリットとデメリットを分かりやすく説明し、可能な限りの情報提供を行う。その上で、患者の希望や価値観を尊重し、治療方針について相談し合う。患者が納得したら、同意書にサインしてもらい、医療を実施する。
2→医療保護入院の入院患者にも同意は必要がある。本問題は、精神科作業療法におけるインフォームドコンセントの重要性を問うものである。精神科作業療法では、医療保護入院を受けている患者に対しても、医師や作業療法士が診断内容や治療目標を明確に伝え、治療方法の選択肢や予後の見通しを説明することが必要である。そして、患者が自分の意思で治療計画に同意し、参加することが望ましい。しかし、医療保護入院の場合、患者の同意が得られないこともある。その場合は、保護者の同意があれば、精神保健指定医の診断に基づいて入院することができる。
3→言語理解が困難な場合でも、本人の意思を尊重するために、できるだけ本人と同意を得るように努める。患者に意識障害や認知症などのために判断能力（意思能力）を欠き、患者自身の意思が確認できない場合に限り、家族など代理人の同意をもとに実施する。
4→活動内容の説明は、良好な患者―治療者関係の構築に必要である。インフォームドコンセントは、医師や薬剤師との対話を促進し、信頼関係を築くことに役立つ。治療や薬の目的や効果を明確にすることで、患者さんは治療に対する意欲や責任感を持てるようになり、医師の判断や方針を理解することで、患者さんは自分の希望や不安を伝えやすくなる。
5→精神症状が重篤な場合でも、患者の同意よりも治療効果が優先されることはない。
