1→猿手は、短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋浅頭が麻痺し母指球が萎縮する。正中神経低位麻痺で起こる。
2→書痙は、字を書く際に筋が過緊張し、手が震えたり、前腕に痛みが発生するなどで書字が困難となる書字障害である。局所ジストニア(手のジストニア)の一つであり、書字をすることが多い方、特に事務職や作家などの職業に生じやすく、書字動作を繰り返することで前腕筋が過緊張し、末梢神経障害を引き起こす。
3→鷲手は、手内筋の萎縮をきたし、骨間筋が麻痺し、手指伸展位での内外転運動が困難となる。環指はMP関節が過伸展、PIP、DIP関節が屈曲する。尺骨神経低位麻痺で起こる。
4→下垂手は最も合併しやすいのは正しい。下垂手は、上腕骨骨折で出現することが多い。手関節・手指の伸筋群と、長母指外転筋・短母指伸筋の麻痺により、手関節背屈、示指から小指のMP関節伸展、母指伸展・外転が困難となるために起こる症状。橈骨神経高位麻痺で起こる。
5→肩手症候群は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1つと考えられており、脳卒中後片麻痺に合併することが多い。肩手症候群は、脳卒中後の発症率が20%と最も高く、上腕骨骨幹部骨折でも発症することがあるが、設問では「最も合併しやすい」ものを求められているため、上腕骨骨幹部骨折は選択肢から除外する。