21歳の男性。大学生。1年前から様々な場面で不安感が出現し、急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった。最近は特に理由もなく、いらいらして落ち着かず、窒息感や脱力感、抑うつ、吐き気がひどくなり、大学にも通えず日常生活にも支障が出るようになった。精神科クリニックを受診し、外来作業療法を受けることになった。この患者の作業療法場面でみられる特徴はどれか。2つ選べ。
1→演技的行動とは、さまざまな人間関係の場面で、過剰に注目を集めようとする行動のことである。演技性パーソナリティー障害の特徴の一つである。
2→この症例は、呼吸促迫を示している。呼吸促迫とは、呼吸が速くなって苦しく感じる状態である。これは全般性不安障害の典型的な徴候である。
3→この症例は作業療法中に集中困難を示している。集中困難とは、不安になって作業に没頭できなくなる状態である。これは全般性不安障害の典型的な徴候である。
4→常同行為とは、同じ動作・発話・姿勢などを長期間に渡って繰り返し・持続する現象。発達障害(自閉症や知的障害など)や前頭側頭型認知症の患者において、しばしば観察される特徴的である。
5→連合弛緩とは、思考の内容が無秩序に変化し、関連性の低いことを連想して論理的なまとまりを失うことである。統合失調症に特徴的な症状のひとつであり、重度になると思考が全く意味をなさなくなる(滅裂思考)という現象が起こる。