43歳の女性。アルコール依存症。高校卒業後、就職。20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった。40歳ころから酒量が増え、二日酔いのまま出動するようになった。上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり、最近、泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった。離脱症状が落ち着いた後、作業療法が処方された。この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか。
1→基礎体力は、この時点での作業療法評価で最も重要度が高い。入院前の不規則な生活や偏った食事は、体力の低下につながることが多い。アルコール依存症の初期治療では、身体的治療・離脱症状の管理と治療が必要である。その後は、生活リズムを整えることや、体力を回復することが作業療法の重要な目標である。
2→対人関係技能は、作業回復期が終了して社会復帰を目指す時期に行う。対人関係技能は、作業療法の導入期には時期尚早である。
3→アルコール依存症の集団精神療法では、自己の飲酒問題を認め、断酒の継続を行うことが治療上極めて有効であるが、断酒への意志は、作業療法の導入期には時期尚早である。
4→復職への意欲は、回復期が終了して社会復帰を目指す時期に行う。作業療法の導入期には時期尚早である。
5→問題解決能力は、回復期が終了して社会復帰を目指す時期に行う。作業療法の導入期には時期尚早である。