7歳の男児。几帳面なところがある。小学校に入学して数か月後から肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。最近、授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。悩んだ母親が本人を連れて来院、チック障害と診断され作業療法の導入となった。
作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1→チックの背景に不安などの心理的要因があることがあり、二次的に自尊感情・社会性・学業などに困難をきたしている場合もあるため、本人に困っていることを聞くのは適切と言える。本症例は設問から「授業中に顔しかめや首ふりなどが激しくなっている」ことから、学業に困難をきたしている可能性も高い。
2→本人にチックが起こるときの状況を尋ねるのは、優先度は低い。チックの背景に不安などの心理的要因があることがあり、また二次的に自尊感情・社会性・学業などに困難をきたしている場合がある。よりチックに意識が向かい、チックを助長してしまう。
3→チックを起さないよう努力するように本人に言うのは、不適切である。チックの背景に不安などの心理的要因があることがあり、また二次的に自尊感情、社会性、学業などに困難をきたしている場合がある。よりチックに意識が向かい、チックを助長してしまう。
4→チックは不安、興奮、強い疲労によって悪化するので、緊張の高い最前列では悪化するおそれがある。緊張に慣れる目的で最前列に座らせるのは不適切である。
5→クラスメートが無遠慮にチックを指摘して本人の自尊感情が傷つく可能性があるため不適切。担任を通じてクラスメートに知らせて配慮してもらうのが良い。