9歳の男児。注意欠如・多動性障害。放課後デイサービスに通所している。鼻歌を唄ったり足を動かしたりとじっとしていることが苦手で、勉強の時間に立ち歩いたり他児にちょっかいを出したりすることでトラブルになった。指導員から注意されると感情的になり、暴れる行動が頻回にみられた。教科書や提出物の忘れ物も多い。
この児に対する治療的な対応で適切なのはどれか。
1→トラブルの原因を考えさせる優先度が低い。なぜなら、本人はトラプルを起こそうと思って起こしているわけではないため。
2→注意欠如・多動障害児では、不適切行動を注意しても自ら改善することができないことが多い。そのため、過度の行動欲求を発散させるような対応をおこなう。他児に対する迷惑行為については制止する必要はある。運動を行うことで、ストレス発放や爽快感につながったり、達成感が得られたりする。また、感覚統合を促すことができるため、適切な対応である。
3→他児との交流は最小限に留める必要はない。他児の迷惑になる場合はその都度介入して制止したり、個別に近い対応が可能な小集団で対応したりする配慮を行う。
4→じっとしておく取り決めをすることは困難である。問題行動はその場で指摘し、改善を図るのが望ましい。この積み重ねが適応的な行動パターンの獲得につながる。褒めることで自信をつけさせ、自尊心の回復を図ることが大切となる。
5→感情的になった場合は、その場から本人を離して1対1で対応するなど、「時間をおく」「距離をおく」ような介入をする。