49歳の男性。くも膜下出血後、高次脳機能障害の診断を受けた。現在は妻が車で送迎し、通院リハビリテーション治療と作業所への通所を行っている。WAIS-Ⅲは言語性IQ 77点、動作性IQ 70点、全検査IQ 72点。三宅式記銘力検査で、有関係対語5-7-8、無関係対語0-1-1、TMT で、A84 秒、B99秒。妻がフルタイムで復職するため、通院や通所への対応が必要となった。本人は自分で車を運転しての通院・通所を希望している。
対応として正しいのはどれか。
1→通院や通所を中止するべきではない。
2→免許証の返納は、医療機関での神経心理学的検査や診断結果だけで医療従事者が決めるのではなく、自動車教習所の適性検査なども踏まえた上で、最終的に自動車教習所の教官が決める。
3→本人の希望は「自分で車を運転しての通院・通所」である。車の運転は現状では難しいが、運転ができるようになるための前段階の目標として、バスを使っての一人での通院や通所に慣れることから始めるというのは正解。WAIS-Ⅲ、TMTの結果から判断、知能および記銘力の低下がみられている。ドライバーは、人命を奪う可能性があるため、車の運転の訓練から始めるのは適切でない。
4→自動車教習所の運転適性の評価を受けていない段階で、運転するのは危険であるため間違い。WAIS-Ⅲ、三宅式記銘力検査では、注意力、認知能力、判断能力の低下が示唆されることから、自分の車を運転して訓練するのは危険。
5→ケアマネジャーではなく、訓練を行う専門職である理学療法士や作業療法士が行うのが適任である。外出訓練をリハビリテーション計画に入れて行う方法がある。ケアマネジャーと一緒の外出訓練を行う優先度は低い。ケアマネージャーの主な仕事は、訓練の専門職ではなく、ケアプランを作成する職業である。