7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、他の子供から遊具を取り上げる、列に並べない、座って待てないことが多かった。小学校入学後も、周囲の生徒の文房具を勝手に使う、課題に集中せず席を離れるなどが頻繁にみられていた。自宅でも落ち着きがなく、母親が注意すると興奮する状況であった。この男児について作業療法士が担当教員から相談を受けることになった。
担当教員への助言内容として適切なのはどれか。
1→注意・叱責は強く行うのは不適切。自信喪失や自尊心の低下につながる。
2→男児の席を教室の中心に設けるのは、周囲からの刺激を受けやすいため、不適切である。
3→望ましい行動が生じたら直ちに褒めるのは適切である。適正な行動をすれば褒められて快感が得られることを学習するようになり、適正な行動が増えてくる。
4→不得意なことは時間を要しても習得を目指すのは困難である。不得意な分野を代償できるような方策を考えるべきである。なぜなら、注意欠如・多動性障害(ADHD)は、得意なこと以外は長く続けられないためである。
5→集団生活に必要なルールを本人に詳しく説明する必要はない。なぜなら、ルールを説明することで、自己嫌悪に陥る可能性があるためである。 注意欠如・多動性障害(ADHD)は、衝動性が強くルールを守れない。ルールを知らなかったり忘れているわけではない。