32歳の女性。幼いころから落ち着きがなく、忘れ物も多かった。大学卒業後、医療事務の仕事に就いたが、仕事が忙しくなるとミスが多くなり、同僚にかんしゃくを起こすなど感情が不安定となった。仕事を休むことも多くなったため、職場の上司に勧められ、精神科を受診し、入院となった。2週後、情緒的に落ち着いたところで作業療法が開始された。
この患者の作業療法で予測される行動はどれか。
1→問題文より、本症例はADHD(注意欠如・多動性障害)であると考えれる。ADHDの特徴的な症状として、不注意がある。注意は散漫傾向であり、集中力が持続しない。そのため、読書に没頭することは困難であると考えられ、不適切である。
2→ADHDの特徴的な症状として、衝動性がある。衝動を抑えることが困難で、ルールを守ることが難しく集団生活が不得意となることが多いが、他者との接触を自ら避ける傾向は考えられないため、不適切である。
3→ADHDの特徴的な症状として、不注意と多動性がある。集中力が持続せず、環境により他者に目移りしやすい傾向があることから、正しい。
4→ADHDの特徴的な症状として、不注意がある。物を置いた場所を何度も確認することは困難であり、忘れ物やなくしものが多いことから、不適切である。
5→ADHDの特徴的な症状として、不注意がある。集中力が持続しないことから、すぐに物事を投げ出してしまいやすい。作品の出来栄えに固執することは考えれないため、不適切である。