27歳の女性。20歳ころに友人に勧められて覚醒剤を使用した。その後、常用するようになり、逮捕および服役を経験した。釈放後に民間のリハビリ施設を利用しながらアルバイトをしていた。1か月前から同僚とのトラブルが続き、最近になり幻覚妄想様の発言が出現したため、父親に連れられて精神科を受診し、入院となった。入院後3週目に作業療法が処方された。
導入初期のプログラムとして適切でないのはどれか。
1→依存症について学び疾病についての教育や情報提供を受けることは、導入初期のプログラムとして適切である。
2→生活技能訓練(SST)は、認知行動療法の一つであり、依存症や統合失調症などの精神疾患の治療や再発予防のために用いられる。対人関係を築き、社会生活を円滑に送る上で必要な技能を身につけることを目指す。導入初期のプログラムとして適切である。
3→ピアサポーターとは、本人も障害や病気の経験があり、その経験を活かして同じ境遇にある仲間をサポートする人のことである。ピアサポーターと交流し、支え合える仲間がいること、同じ境遇を乗り越えた人がいることで希望を持ち、前向きな力をもらうきっかけとなることは、導入初期のプログラムとして適切である。
4→軽運動や作業活動に参加していくことは、身体機能の改善を図るためにも、導入初期のプログラムとして適切である。
5→依存症の本症例に対して、グループリーダー体験を促すことは、導入初期のプログラムとして時期尚早である。まずは、集団活動に参加することを促すべきである。