52歳の女性。関節リウマチと診断されて3年が経過した。SteinbrockerのステージⅡ、クラス2。日常生活で両手関節の痛みを訴えている。観察された動作を図に示す。
関節保護の指導が必要な動作はどれか。
1→関節リウマチ患者の日常生活において、関節の負担を軽減することで疼痛をやわらげ、無駄な動作を省きエネルギーを省略化することが必要である。原則として、力強い握りは避けて、指先だけでなく手部全体を使って動作を行うことが良い。「カップを持つ」動作は、図のように両手で持つことが関節保護となるため、指導は必要ない。
2→「茶碗を持つ」動作は、茶碗を指先で持つのではなく、図のように前腕回外位手掌に茶碗を載せて持つことが関節保護となるため、指導は必要ない。
3→「テーブルを拭く」動作は、尺屈・撓屈方向に手首を動かすのではなく、図のように手掌と手指全体で台拭きを上下に動かしているので、関節保護はできており、指導は必要ない。
4→「フライパンを持つ」動作は、片手で持つと手関節に負担がかかり痛みの増悪に繋がる恐れがある。フライパンや片手鍋は片手で持たずに両手で持つことが、関節保護となるため、関節保護方法の指導が必要である。
5→「ポットで水を注ぐ」動作は、片手で持ち手部分を持ち上げると手関節が尺屈し痛みの増悪に繋がる恐れがあるが、図のように片手は手掌全体でポットを支えるように持ち、片手は底部分に添えており、特定の関節に負担がかからない持ち方を行うことが出来ている。関節保護はできているため、指導は必要ない。