1→Barre徴候(バレー徴候)とは、上下肢に軽度の運動麻痺がある場合に現れる徴候のことである。両上肢を回外位で肘伸展位のまま肩関節屈曲し閉眼すると、麻痺側上肢は回内し、徐々に下りてきて保持できない。末梢神経障害ではみられない。
2→Froment徴候(フローマン徴候)とは、末梢神経障害である尺骨神経麻痺で認められる徴候であることから、正しい。両手の母指と示指で紙を挟み、反対方向に引っ張るときに母指が過屈曲すれば陽性となる。
3→Kering徴候(ケルニッヒ徴候)とは、髄膜刺激症状の一つであり、髄膜炎などの診断に用いられる。末梢神経障害ではみられない。仰臥位で股関節と膝関節を90°屈曲させた状態で、膝関節を伸展する。この時、膝関節伸展に抵抗があって135°以上伸展できないときを陽性とする。
4→Lasegue徴候(ラセ-グ徴候)とは、坐骨神経痛を診断する時に用いられる検査方法の一つである。末梢神経障害ではみられない。仰臥位で患者の下肢を伸展させたまま持ち上げると、股関節屈曲70°以下で大腿後面に疼痛が出現してそれ以上、下肢を挙上できないときを陽性とする。
5→Romberg徴候(ロンベルグ徴候)とは、脊髄後根障害、前庭機能障害、小脳失調などで陽性となる徴候のことである。末梢神経障害ではみられない。閉足立位時に開眼から閉眼すると、開眼時よりも身体の動揺が大きくなるときを陽性とする。