28歳の女性。頸髄損傷(第6髄節まで機能残存)。車椅子とベッド間の移乗は前・後方移動で自立し、ADLは自助具や環境整備で自立の見込みを得た。住宅改修を図に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。
1→「廊下などは、幅120cm以上、50mごとに車いすの転回が可能なスペースを設けること」が、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)の第17条に規定されている。
2→②のポーチは、車椅子で玄関に入ったり出たりする際に必要なスペースである。そのため、100cmよりも「150cm」の幅が適切です。また、玄関の鍵を操作したり、⑤屋外スロープに移動したりするときにも、広いポーチが便利である。
3→車椅子の90°の方向転換に「85〜90cm」必要であるため正しい。
4→④のシャワーフックは、高さが「150cm」に固定されているのではなく、高さを自由に調整できるタイプ(垂直に取り付けられたバーをスライドさせて高さを変えられるもの)が望ましい。浴室用車いすやシャワーチェアなどに座っているときにも手が届くようにするためで、固定式の場合は、高い位置(立位用:150〜170cm)と低い位置(座位用:60〜80cm)の2か所に設置するのが良い。ただし、この症例は頸髄損傷(第6髄節まで機能が残っている)である。固定式の場合は低い位置(座位用:60〜80cm)にする必要である。
5→⑤の屋外スロープの勾配は、1/4ではなく「1/12以下」にする。屋外スロープの勾配は、1/15~1/20が推奨されている。