26歳の女性。結婚後に転居したアパートが古く汚れが目立っていた。食事の後片付け、掃除及び手洗いをいくらやっても汚れが落ちていないのではないかと不安を感じるようになった。これらに長時間を要するようになり、生活に支障がではじめたため、夫に勧められて精神科を受診した。
作業療法での対応として適切なのはどれか。
1→本症例は問題文より強迫性障害と考えられる。強迫性障害患者の作業療法として、工程が決まっていて、複雑な内容は、強迫を誘発しやすいため避ける必要がある。そのため、自由度の高い作業を提供することは、作業療法での対応として適切である。
2→強迫性障害患者の作業療法として、正確さを必要とする作業を提供すると強迫を誘発しやすくなる可能性があり、不適切である。正確さを必要とせず、ルールが少なく自由度が高い作業を提供することが好ましい。
3→強迫性障害患者に対して、強迫行為である手洗いを制止することは、強迫行為を助長させてしまう恐れがあるため、不適切である。作業を中止するのではなく、患者の辛さを共感し、支持的に接することで作業に取り組むことができるよう、促していくことが好ましい。
4→強迫性障害患者に対して、強迫行為である手洗いについて患者本人に原因を考えさせることは、強迫行為を誘発・助長させてしまう恐れがあるため、不適切である。手洗いそのものにアプローチするのではなく、手洗い以外のことに関心を向けていくよう、促していくことが好ましい。
5→強迫性障害患者の作業療法として、工程が決まっていて、複雑な内容は、確認が必要になるため、強迫を誘発しやすく避ける必要があることから、不適切である。作業工程の確認に他者が必要なものではなく、ルールが少なく自由度が高い作業を提供することが好ましい。