20歳の女性。高校卒業後、コンビニエンスストアの仕事についた。2年が経過した頃、人手不足もあり業務に追われる状態が続いた。次第に集中困難、頭が回らない感覚、不眠、動悸や呼吸困難感が現れ始め、休職するに至った。約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが、頭痛、めまいによる歩行のふらつき、不眠が出現し、たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった。その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し、外来作業療法が導入された。
導入時の作業療法で最も適切なのはどれか。
1→全身のストレッチは、導入時の作業療法で最も適切である。あまり負担をかけずに身体的回復を促し、リフレッシュ効果が得られるため有効である。
2→導入時は、疲労を感じやすいため、休憩をこまめに早めにとり精神的にも負担をかけないことが重要である。高負荷の歩行訓練は優先度が低い。
3→仕事を想起し、不安を助長することにつながりかねないため、ワークサンプル法による職業訓練は優先度が低い。
4→本症例は認知機能に問題はないため。治療法として、認知リハビリテーションではなく、認知行動療法(セルフコントロール)が必要である。
5→社会生活技能訓練(SST)による接客場面のロールプレイは優先度が低い。認知行動療法の基本的な手技ではあるが、導入時には負担が大きく仕事を想起し、不安を助長することにつながりかねないため不適切。