1→脊髄小脳変性症の重症度分類Ⅲ度(中等度)では、何らかの介助を要するが、歩行は介助なしに行えるレベルである。運動機能の維持や残存機能の活用のために、筋力増強訓練や歩行訓練、バランス訓練を行うことは大切である。
2→
脊髄小脳変性症の重症度分類Ⅲ度(中等度)では、歩行できるが、ほとんど杖などの補助具または、介助を必要とする。それらがないときは伝い歩きが主体であるレベルとされる。本症例は、自宅内は伝い歩きであると考えられ、壁や家具につかまって歩くことで転倒予防となる。自宅の家具の配置変更を検討することは、正しい。
3→脊髄小脳変性症による運動失調患者は、歩行中にふらつきがあり、ワイドベース(歩行中の歩隔の拡大、左右への体幹動揺)をとりやすい特徴がある。歩隔をできるだけ狭くして歩くとバランスが保てず歩行時の転倒が増す恐れがあるため、不適切である。
4→脊髄小脳変性症の重症度分類Ⅲ度(中等度)では、手先の動作は全般に拙劣で、スプーンなどの補助具を必要とするレベルである。柄の細いスプーンは掴みにくく、太い柄のスプーン使用をすすめることが望ましい。
5→脊髄小脳変性症の症状として運動失調、振戦がみられる。杖が軽量だと不安定になり、歩行時転倒しやすくなる恐れがある。重さのある歩行補助具や、迅速ブレーキ付き歩行器もしくは重錘バンドを巻いた歩行器などが望ましい。