67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生に低下を認めた。自宅から1人で外出する際によって保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。
記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。
1→本症例は記憶障害を認め、特に見当識が低下しているとある。場所の失見当があり、訓練室まで先導してもらうことは困難な可能性がある。訓練室の場所が分からなかった場合、自尊心を傷つけてしまう恐れがあるため、不適切である。「訓練室はこちらです」と作業療法士が案内・誘導することが好ましい。
2→本症例は記憶障害を認める。家族写真を見て「この方は誰ですか」と尋ねても分からなかったり、名前が出てこない可能性がある。答えることが出来なかった場合、自尊心を傷つけてしまう恐れがあるため、不適切である。
3→本症例は記憶障害を認める。「私を覚えていますか」と尋ねても覚えていなかったり、名前が出てこない可能性がある。答えることが出来なかった場合、自尊心を傷つけてしまう恐れがあるため、不適切である。
4→本症例は記憶障害を認め、特に見当識が低下しているとある。日付の失見当があり、日付を聞いても答えることが出来ない可能性がある。評価として日付の見当識があるか、確認することは必要だが、通常の作業療法の対応として日付を聞いて答えてもらう必要はない。作業療法士から「もう○月○日ですね」と伝えることで、患者は見当識を認識し、安心感を得ることができる。
5→本症例は記憶障害を認め、特に遅延再生が低下しているとある。「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねても覚えていなかったり、答えられない可能性がある。答えることが出来なかった場合、自尊心を傷つけてしまう恐れがあるため、不適切である。