60歳の女性。視床出血発症後1か月。左片麻痺を認め、Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅳである。左手指の発赤、腫脹および疼痛を認め、訓練に支障をきたしている。この患者に対する治療で正しいのはどれか。
1→脳卒中後に手指の発赤・腫脹・疼痛を生じていることから複合性局所疼痛症候群が疑われる。温冷交代浴は、複合性局所疼痛症候群に含まれる脳卒中による肩手症候群などの治療で用いられる。血行促進や自律神経への作用を目的に行う。
2→安静に保つのではなく、疼痛自制内での愛護的な関節可動域訓練を行う。CRPSの痛みや浮腫はなかなか消失せず、運動障害から徐々に関節拘縮や骨萎縮などが進行する。一度関節拘縮が完成してしまえば完治することは困難であるため、薬物療法や物理療法、心理的サポートを含め、多角的なアプローチで早期に治療することが重要になる。
3→手指の可動域訓練は、疼痛自制内での愛護的な関節可動域訓練を行う。
4→装具などの安静の必要はなく、疼痛自制内での愛護的な関節可動域訓練を行う。
5→Hippocrates法は肩関節前方脱臼の整復法である。脇窩に脚を入れて患肢を下方に牽引する方法である。肩関節亜脱臼にはアームスリングを使用する場合が多い。