50歳の男性。糖尿病。1か月前からインスリンによる治療が開始されている。空腹時血糖150mg/dL、HbA1cは7.5%であった。これまでに低血糖症状は認めていない。 血糖コントロールの改善に向けた運動療法、生活指導で誤っているのはどれか。
1→歩数は運動量を視覚化しやすく、男性は歩数計の数字が増えることに対し達成感を抱きやすいため、歩数計を活用するのは正しい。また、「20分で○歩」と目標の一つとしても活用しやすく、歩行スピードの維持(ボルグスケールで『楽である』〜『ややきつい』)にもつながる。
2→糖尿病患者に対する運動療法は、食後1〜2時間後に行うことは正しい。
3→階段を使用するように助言する。階段を使用することで運動量の確保につながるため正しい。
4→低強度でのレジスタンス運動を行うのは正しい。筋力を維持するためには、レジスタンス運動が有効である。レジスタンス運動とは、筋肉に抵抗を与えることで筋力を高める運動のことである。個人の体力や目的に合わせて適切な方法を選ぶ必要があるが、歩行は最も手軽なレジスタンス運動の一つである。
5→有酸素運動は、1週間で合計60分ではなく、1回に20〜30分(週3回以上)を目安に行うことが望ましい。なぜなら、1週間で合計60分という基準では、運動の効果が十分に得られない可能性が高いためである。運動の効果を高めるためには、①頻度、②強度、③量の3つの要素をバランスよく設定することが重要。