1→筋萎縮に対し、装具固定は優先度が低い。筋萎縮は、低栄養・廃用の原因で起こることが多い。装具固定は、運動を制限するときに使用する。
2→骨萎縮に対し、機能的電気刺激は優先度が低い。骨萎縮は、低栄養・廃用の原因で起こることが多い。FES(機能的電気刺激療法)は、筋の活動を促すため、末梢神経を刺激し麻痺筋の収縮を補助するのに有効である。
3→下腿浮腫に対し、安静保持より「積極的な下肢運動」が有効である。下肢の筋肉ポンプ作用が低下すると、血液やリンパ液の循環が悪くなり、下腿に水分が溜まって浮腫が起こる。これを廃用性浮腫と呼ぶ。安静保持は、この廃用性浮腫を悪化させる可能性がある。したがって、下肢の筋肉ポンプ作用を高めるために、定期的に足を動かすことが重要である。
4→起立性低血圧に対する有効な対策は、「塩分制限」ではなく「離床の促進」である。起立性低血圧の原因として、廃用によって①循環血液量が減少し、②血管の収縮・拡張の調節機能が低下し、③心臓のポンプ機能が弱まるという3つの要因が考えられるからである。
5→深部静脈血栓症は、深部静脈に血栓が形成されて血流が妨げられる病態であり、主に下肢に起こる。抗凝固療法は、血栓の拡大や塞栓の予防に有効な治療法である。また、深部静脈血栓症の予防策としては、弾性ストッキングの着用や下肢の運動が推奨され、これらは、静脈内の血流を改善することで、血栓の発生を防ぐことができる。