1→BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)は、遂行機能障害の程度を測定するための検査である。この検査には、カードや道具を用いて課題を行う6つの下位検査と、遂行機能障害に関する自己評価を行う質問紙が含まれる。下位検査の得点は0~4点の5段階であり、合計24点で評価される。気分障害のスクリーニングには、POMS(気分プロフィール検査)があげられる。
2→MMPI(ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。550項目の質問に対して「当てはまる」「当てはまらない」「どちらでもない」の3つの選択肢から回答する。注意障害は、TMT(trail making test)があげられる。
3→POMS(気分プロフィール検査)は、うつ状態を含む6つの気分の尺度を測定する質問紙法の検査であり、最近1週間の被検者の気分の状態を評価する。視知覚障害は、VPTA(標準高次視知覚検査)があげられる。
4→SPTA(標準高次動作性検査)は、失行症および行為障害を系統的に評価する検査である。記憶障害は、MMSE(mini mental state examination)やHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)があげられる。
5→WCST(ウィスコンシンカード分類テスト)は、遂行機能障害に適応となる。WCST(ウィスコンシンカード分類テスト)は、前頭葉の実行機能を測定する検査である。実行機能とは、目標を設定し、目標達成のための戦略を立案し、環境の変化に応じて戦略を修正し、衝動的な行動を抑制するなどの能力を指す。WCSTでは、色・数・形の3つの属性を持つカードが提示され、どの属性に基づいてカードを分類するかを推測する。この検査は、高次脳機能障害の診断やリハビリテーションの効果判定に役立つ。