第56回作業療法士国家試験 午前10

1→日光浴は、控えるべきである。日光による炎症で皮膚障害を引き起こす可能性が高まるからである。また感染が皮膚障害を契機にリンパ浮腫が憎悪するため、控える。

2→術側の上肢は固定するのではなく、挙上したり自動運動することでリンパ還流を促し、浮腫を軽減させる。

3→事務職への転職を勧める必要はない。保育士の業務を継続するにあたって、子どもの抱っこは、右上肢（手術側）ではなく左上肢で行うなど、右上肢（手術側）に負担がかからないような作業姿勢に留意するように指導する。

4→リンパを滞留しやすくなるため、重量物は持たないようにするか、重量物を持つ場合は健側で行うよう指導する。術側上肢を長時間下げた肢位（キャリーバックを使用した長時間の旅行）や、肘にカバンなどの重量物をかけることは控える。

5→物干し動作などの上肢挙上の日常生活動作は、術後の癒着予防、浮腫改善、肩関節の可動域制限の予防の効果もあるため、適度に休息をとりつつ行えば制限の必要はない。