2歳6か月の男児。痙直型両麻痺の脳性麻痺。頭部のコントロールは良好である。割り座をとらせると上肢で支えて座ることができるが、しばしば大人の助けを必要とする。移動は、肘這いか、四つ這い(手足を交互に動かさない)であり、テーブルなどにつかまって立ち上がり、短い距離をつたい歩きしたり、手に持つ移動器具(歩行器)を使って歩くこともある。
この患児のGMFCS(growth motor function classification system)におけるレベルはどれか。(改)
1→レベルⅠは、制限なしに歩く状態である。
2→レベルⅡは、制限を伴って歩く状態である。座位をとる動作や座位から他の姿勢になる動作は大人の助けなしに行う。手と膝をついた交互性のパターンでの四つ這い、つたい歩き、歩行補助具を使っての歩行などが移動手段として使われる。
3→レベルⅢは、手に持つ移動器具を使用して歩く状態である。割り座で、床上で座位を保持するがしばしば大人の助けを必要とする。主な移動手段として、平面での四つ這い(下肢を交互に動かさない)や肘這い、またテーブルなどにつかまって立ち上がり、短い距離をつたい歩きすることがある。歩行器を使い、方向転換を大人に助けてもらって歩く場合もある。症例のレベルと合致する。
4→レベルⅣは、制限を伴って自力移動の状態である。(電動の移動手段を使用しても良い)座位と立位に座位保持椅子やスタンディング・ボードなどを頻繁に必要とす る。短距離の移動は寝返り、腹部をつけた肘這い、四つ這い(下肢を交互に動かさない)で行う。
5→レベルⅤは、手動車椅子で移送される状態である。