1→単発ではなく「複数回」の実施が一般的である。このプログラムでは、まず情報提供のセッションを1時間ほど行う。次に、グループワークのセッションを1時間から2時間ほど行い、このサイクルを4~5回繰り返す。統合失調症の方には、このプログラムの後に、情報提供なしでグループセッションをさらに4〜5回行うことが推奨されている。
2→家族を精神疾患の原因と捉えるものではない。精神疾患の原因は主に 脳の器質的な障害(頭部外傷など)、脳の何らかの機能異常(統合失調症など)、心理的ストレス(PTSD)などである。
3→治療者から家族への指示が重視されるものではない。家族心理教育は、家族が病気を正しく理解し、適切な対応や望ましい接し方を身につけることを重視しなければならない。
4→家族の対処能力が向上することを目指すのは適切である。感情表出(EE)の強い(高い)家族のもとでは患者の症状は悪化しやすいため。患者との関係性を深めるために、家族は家族心理教育を受けて感情表出のコントロール方法を学ぶ。EE< expressed emotion >とは、感情表出のことである。患者と対話する際に家族が抱く主に否定的な感情をそのまま伝えることをいう。
5→当事者と同居する家族のみが対象限らない。当事者と同居する家族のほうが家族心理教育の優先度は高い。