32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
1→本症例は入院後も症状の安定化が見られず、高度な緊張感に苛まれている。このような患者に対しては、平行法のように周囲に壁や療法士が存在すると、圧迫感やストレスを感じやすくなる。オープンスペースでの場面設定しているため「解放感」を利点とした環境設定が必要と考える。
2→対面法は、クライエントの感情や表情をよく観察できる方法であるが、クライエントが緊張してしまう。「入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている」本症例には他の方法を検討した方が良いと考える。対面法とは、机を間に挟んで療法士とクライエントが向かい合う(対面かつ真正面)座る方法。顔や目線から読み取ることのできる情報が非常に多くクライエントの感情と表情の連動などを洞察することが可能であるが、クライエントが緊張してしまうという欠点がある。
3→直角法で患者の後方にはスペースが存在する環境設定が望ましい。直角法は、カウンセラーとクライエントが机の角に沿って直角に座る方法である。この方法では、視線が直接ぶつからないので、クライエントはリラックスして対話でき、患者の後ろにスペースを確保することで、安心感が高まり、作業に集中できる。
4→直角法は有効な手法であるが、本症例は「入院後、症状が不安定であり、高いストレスを感じている」。そのため、患者にとっては「壁」に囲まれることが、不安や圧迫感を増す恐れがある。オープンスペースを活用した場面設定を目指しているので、「開放感」を強調した環境設定が望ましいと思われる。
5→療法士が後方に立つより選択肢の中で優先度が高いものが他にある。療法士が視界に入らないように配置されているので、作業に集中しやすいというメリットがあるが、患者によっては療法士が見えないことで不安に感じることもある。また、作業療法士は患者の顔を見ることができないので、感情や反応を読み取ることが難しい。