1→身体表現性障害では疾病逃避の症状はみられるが、現実検討能力は比較的保たれている。そのため、現実検討能力を高めることは、不適切である。
2→作業療法では、不安な気持ちを解釈することは行わない。作業療法では、訴えを傾聴し不安や苦痛を聴き取り、受容的・師事的態度で精神療法的に関わっていく。
3→身体表現性障害患者には、その人に合った身体的練習や対応を優先する。作業の難易度は修正可能で本人のペースで行われるものが良いことから、集団作業療法を基本とすることは、不適切である。
4→身体表現性障害は、身体症状に加えてそれに対する思考・感情・行動の移乗な反応はあるが、対人関係能力の低下は認めないことから、対人関係能力の向上を図ることは、不適切である。
5→身体表現性障害では、自己愛を満たしつつ、健全な自己表現が出来る機会を作業療法の中で作り出すことが大切である。感情表現が正しくなされることで、自己の症状へのとらわれを軽減することが出来る。