1→緊張性頸反射を利用する優先度は低い。緊張性頸反射には、①非対称性緊張性頸反射(ATNR)と②対称性緊張性頸反射(STNR)の2つの原始反射がある。
2→立位時は、麻痺側下肢に荷重を促す。なぜなら、麻痺側の下肢に体重をかけることができると、日常生活(歩行)がより自立しやすくなるためである。歩行能力において、麻痺側下肢の荷重量が重要な関係を持っており、体重の50~60%程度の負荷をかけることで、屋内での歩行が自立するとの研究結果が報告されている。
3→長下肢装具使用による歩行訓練を行う優先度は低い。本症例のBrunnstrom法ステージ下肢IVである。長下肢装具は、立位訓練開始から装具をつけ、介助下での平行棒歩行訓練が必要なレベルの麻痺に適応となる。
4→麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う優先度は低い。本症例のBrunnstrom法ステージは、上肢Ⅲである。まずは抵抗をかけず、分離運動の獲得を目指す方が優先度は高いと思われる。
5→CI療法の適応外であるため間違いである。CI療法の適応には、①血圧の安定や認知機能が正常であること、②施設や病院に入所しておらず自宅で生活していること、③麻痺側手関節の随意的伸展が20°以上可能である(母指を含めた3本指のIP/MP関節の随意的伸展が10°以上可能)ことが条件である。