65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。
作業療法で適切でないのはどれか。
1→ループ付きタオルとは、障害にてタオルを握ることや握り続けることが困難な患者が、非麻痺側が麻痺側を自己介助運動しながら洗体を行うことが出来る。本症例は、左片麻痺であり上肢・手指共にBRSⅣであることから、タオルの端を握り続けることが困難と予想される。そのことから、作業療法として適切である。
2→本症例は、短下肢装具を用いて立位が可能である。上肢・手指はBRSⅣであり、麻痺側である左手を使用したズボンの引き上げは可能であると考えられる。
3→両手で頭上の高さの棚に衣類を収納するためには、上肢の完全挙上が可能となる上肢BRSⅤ以上である。本症例は上肢BRSⅣであることから、作業療法として不適切である。
4→本症例は上肢BRSⅣであり、麻痺側である左手を用いたテーブルの雑巾がけは可能である。雑巾がけは、麻痺側上肢の分離運動の促進に繋がることから、作業療法として適切である。
5→両手を用いたタオルたたみは、上肢の・手指BRSⅣの本症例でも、非麻痺側上肢で介助を行いながら実施することは可能である。