1→Lewy小体型認知症(レビー小体型認知症)とは、老年期に認知症を呈する病気の一つで、変性性(脳の神経細胞が原因不明に減少する病態)の認知症である。認知機能障害、パーキンソン症状、幻視が特徴的な症状としてあげられる。現在、レビー小体型認知症を治す治療法は確立されておらず、症状に対する薬を使用して効果をみていく。
2→進行性核上性麻痺とは、大脳基底核、脳幹、小脳の部位の神経細胞が減少し、易転倒性、すくみ足、姿勢保持障害がみられる。進行すると、頸部後屈、垂直性核上性眼球運動障害、構音障害、嚥下障害、想起障害と思考の緩慢を特徴とする認知症や注意力低下の症状がみられる。治療としては、初期にL-dopaが効くことがあるが、長続きしない場合が多い。進行性でありADL低下の進行は速い。
3→慢性硬膜下血腫とは、時間をかけて(約1~2ヶ月)できた血腫が脳を圧迫した結果、頭痛、認知症、失禁、麻痺、歩行障害等の症状が出現する。予後の良い疾患であり、脳外科的手術によって、認知症や麻痺、頭痛等の症状が徐々に改善していく例が多いことから、正しい。
4→Wernicke脳症(ウェルニッケ脳症)とは、ビタミンB1欠乏により、急性・亜急性に生じる意識障害、眼球運動障害、運動失調を特徴とする。治療法としては、ビタミンB1投与が主流である。コルサコフ症候群(記憶障害、作話等)を併発している場合は、回復が難しい。
5→正常圧水頭症とは、頭蓋内で髄液が通常より多く頭蓋骨の内側に溜まった状態のことである。特徴的な症状として、歩行障害、認知機能低下、失禁がある。一般的に脳外科的手術「シャント術」を施行することによって、認知症が改善していく可能性があることから、正しい。