1→先天性多発性関節拘縮症は先天性的な関節可動域制限をきたし、様々な奇形や脱臼等の合併症がある。先天性多発性関節拘縮症では、成人期の二次障害として脊柱側弯症を発症しやすいとされているが、頚椎症性脊髄症を発症しやすいわけではないため、不適切である。
2→頚椎症性脊髄症は、アテトーゼ型脳性麻痺の二次障害として代表的なものであることから、正しい。アテトーゼ型脳性麻痺は、大脳の運動神経系、錐体外路の大脳基底核が損傷されたことによる不随意運動が特徴である。痙直型アテトーゼは、不安定性に加え痙性による異常固定の問題も持つ。ジストーニックアテトーゼは、姿勢筋緊張が低緊張から過緊張へ急激に変動する。身体にねじりを伴い側弯などの変形を引き起こしやすい。そのため、機能の獲得に異常姿勢を強めてしまうことから、年齢とともに頚椎症性脊髄症、肩関節脱臼、側弯、股関節脱臼などの変形・拘縮の問題が起きやすいと言われている。
3→頚椎症性脊髄症は、痙直型脳性麻痺患者にも二次障害として発症する場合もあるが、アテトーゼ型よりは発症しにくいため、不適切である。痙直型脳性麻痺はは、大脳の運動神経系の錐体路系が損傷されたことによる、四肢の筋緊張の亢進が特徴である。ジャックナイフ現象がみられ、視覚・認知障害、斜視を合併することが多い。
4→骨形成不全症は、全身の骨や歯が生まれつき弱く、容易に骨折したり変形したり、虫歯になりやすくなる。他、難聴や心臓弁膜症・心不全、胸膜が青くなる、脊柱変形による呼吸障害等挙げられるが、頚椎症性脊髄症は発症しやすいわけではないため、不適切である。
5→分煙麻痺とは、出産時に発生したと考えられる神経損傷のことである。腕神経叢、顔面神経、頸髄の神経根の損傷が代表的である。腕神経叢麻痺、顔面神経麻痺が特に起こりやすく、頚椎脊柱管狭窄症は発症しやすいわけではないため、不適切である。