1→本症例は、食欲低下は認めるが嚥下障害の記載はないため、嚥下訓練を行うことは不適切である。
2→本症例は、骨転移があり左肩と背部の疼痛により、歩行困難と食欲低下を認めるため、疼痛管理を行うことは適切である。癌患者に対して、疼痛緩和を図るために評価し疼痛の種類と原因を把握して、疼痛管理を行っていくことは、QOL維持の点からも重要である。
3→本症例は、骨転移があり左肩と背部の痛みを訴えていることから、痛みのある肩のROM訓練を優先的に行うことは不適切である。ROM訓練は、可動域維持や廃用性症候群予防に効果的ではあるが、まずは、疼痛コントロールを行ってから無理のない範囲で行うべきことである。
4→本症例は、痛みより食欲低下を認めるが、食事がとれていない訳ではないため、経管栄養の開始は不適切である。不適切な時期の経管栄養は、嚥下機能や口腔機能の低下を招く恐れがある。
5→本症例は、骨転移により左肩と背部の痛みがあり、痛みのため歩行困難と記載しておる。痛みがある状態で下肢筋力強化訓練を優先的に行うことは、不適切である。下肢筋力強化訓練は、廃用性症候群予防の観点からも必要性はあるが、まずは、疼痛コントロールを行ってから、無理のない範囲で行うべきことである。