57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1→舌での入力は困難である。本症例は球麻痺(舌の萎縮)が生じているため。舌運動が難しい可能性が高い。
2→口唇での入力は困難である。発症から5年が経過しており口唇で、動かすことは困難であると思われる。筋萎縮性側索硬化症は、上肢末端(母指球など)から筋萎縮が始まり緩徐に進行する。予後は不良で、一般に発症から3~5年程度で呼吸筋麻痺や誤嚥性肺炎などで死亡する場合が多い。
3→呼気での入力は困難である。本症例は、「安静時も呼吸困難を自覚している」状態である。呼気を使用するのは難しいと思われる。一般に発症から3~5年程度で呼吸筋麻痺や誤嚥性肺炎などで死亡する場合が多い。
4→手指での入力は困難である。本症例は発症から5年が経過しており、手指で動かすことは困難と考えられる。筋萎縮性側索硬化症は、上肢末端(母指球など)から筋萎縮が始まり緩徐に進行する。予後は不良で、一般に発症から3~5年程度で呼吸筋麻痺や誤嚥性肺炎などで死亡する場合が多い。
5→外眼筋は、この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段である。理由は、外眼筋をはじめ眼球運動を支配する筋は障害を受けにくいため。