75歳の女性。自宅の浴室で転倒し右大腿骨頸部を骨折したため人工股関節置換術(後外側アプローチ)が施行された。担当医からは患側への全荷重が許可されている。 この患者に対するADL 指導で正しいのはどれか。
正解!
不正解 答え 5
1→割り座は股関節の屈曲・内旋を伴い、禁忌肢位をとることになるため不適切である。
2→和式の畳生活では、横座りや床からの立ち上がりなど、それらの動作は股関節に負担をかけやすい。また、しっかり動作を覚えないと負担をかける禁忌肢位をとってしまいやすいため、和式の畳生活をあえて勧めることはしない。
3→しゃがみ動作は、禁忌肢位(股関節の過屈曲を伴う)であるため不適切である。しゃがまず、椅子座位で靴を脱ぎ手に持った状態で行う。
4→椅子が低いと禁忌肢位(股関節の過屈曲を伴う)となるため、椅子の座面は高いものを使用する。
5→階段昇降時は、平地歩行に比較して股関節への負荷が高まる。本症例は、右大腿骨頸部である。右足が患側であることから、人工股関節置換術後の昇降方法は二足一段で、上りは健側(左足)から、下りは患側(右足)から出すよう指導する。