1→ADAS(Alzheimer’s Disease Assessment Scale)は、記憶を中心とする認知機能検査である。アルツハイマー病に対するコリン作動性薬物による認知機能の評価であり、11の課題(①単語再生、②口語言語能力、③言語の聴覚的理解、④自発話における喚語困難、⑤口頭命令に従う、⑥手指および物品呼称、⑦構成行為、⑧観念運動、⑨見当識、⑩単語再認、⑪テスト教示の再生能力)を用いる。得点は0~70点で、失点制であるため、高得点ほど障害が重いことを示す。この検査は、認知症の重症度を判定するのではなく、複数回行って得点変化を見ることで、認知機能の変化を評価するものである。
2→CDR(Clinical Dementia Rating:認知症の重症度評価法)は、認知症の進行度を客観的に判定するために用いられる。記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況及び趣味、介護状況の6項目について、患者の検査や周囲の人からの情報で判定する。
3→MMSE(Mini Mental State Examination)は、認知機能のスクリーニングに用いられる簡易な検査法である。見当識、記憶力、注意と計算力、回想、言語、構成の6つの領域を評価する。30点満点であり、26点以下では軽度認知障害の可能性があると考えられる。23点以下では認知障害が疑われるとされる。
4→NPI(neuropsychiatric inventory)は、認知症の患者の援助者にインタビューすることで、「認知症の行動・心理症状(BPSD)」の程度を測定するツールである。 「認知症の行動・心理症状(BPSD)」に関わる12の領域について、発現頻度を0~4点、重症度を1~3点で評価し、合計点が高いほど症状が重いことを示す。
5→PSMS(Physical Self-Maintenance Scale)は、ADLの評価尺度である。家族・介護者からの情報に基づき評価する。