35歳の男性。母親との2人暮らし。大学卒業後に就職した。統合失調症を発症したために退職し、精神科に外来通院しながら自閉的な生活をしていた。主に家事を行っていた母親が体調を崩したために同居生活が困難となり、精神科に入院した。入院6か月で自宅退院となり、母親の負担軽減のために日中の家事援助を受けることになった。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に規定されるサービスの中でこの患者が利用できるのはどれか。
1→共同生活援助(グループホーム)とは、精神障害者が夜間や休日に共に暮らす住居のことで、食事の準備や服薬の管理など、日常生活に関する相談や支援を提供する。本症例は、母親と自宅で同居し、家事動作に限定した介助が必要である。
2→居宅介護(ホームヘルプ)は、障害者総合支援法に基づいて提供されるサービスの一つで、本症例が受けられるものをいう。居宅介護では、自宅での食事や入浴などの日常生活動作や、調理や洗濯などの家庭生活動作について、必要な支援を行う。対象となるのは、障害者支援区分が区分1以上の者である。本症例は、障害者支援区分1〜2に該当し、調理や洗濯などの家庭生活動作において支援が必要であるため正しい。
3→重度訪問介護とは、重度の精神障害や知的障害、重度の肢体不自由などで日常生活において常時介護が必要で、居宅にて食事や入浴などの生活動作、調理や洗濯などの家事動作に関する援助を行うサービスである。対象となる方は、障害支援区分が区分4以上の方であある。
4→短期入所(ショートステイ)とは、介護者が病気やその他の事情で在宅での介護が困難になった場合に、障害者支援施設や児童福祉施設などに一時的に入所するサービスである。入所期間中は食事や入浴などの日常生活の支援を受けることができる。対象者は、障害者支援区分が区分1以上の方である。症例の男性は、半年間の入院を終えて自宅に退院した後、「母親の負担を減らすために昼間の家事を手伝ってもらうこと」を目標にサービスを検討していますが、短期入所はその目的に合致しない。
5→同行援護とは、視覚障害によって外出が困難な障害者等に対して、外出時に一緒に行動し、移動に必要な情報やサポートを提供することである。