第56回作業療法士国家試験 午後11

1→ベッドを導入させることは、本症例において生活機能の拡大につながる。ベッドの導入で、スムーズに立ち上がれることで、洗濯の回数の増加も予想される。立ち上がり時の転倒の防止に役立つだけではなく、一時的な体調不良による身体機能の低下時でも独居が持続可能な可能性を上げることができる。

2→運動習慣を確立させる優先度は低い。なぜなら、運動習慣を身に着けても、床からの立ち上がりが台なしでスムーズにできることにはつながらないからである。まずは運動の必要性を理解し、その効果が確実に出るまで時間がかかりすぎてしまうからである。

3→食料品の買い出しを促す優先度は低い。本症例は独居生活が概ね自立しており、現在も食料品の買い出しは出来ていると考えられる。

4→家事動作を積極的に実施させる優先度は低い。本症例は、「セルフケアは時間がかかるが実施可能である。家事は簡単な炊事を行い、洗濯を時々行う程度」である。このことから、セルフケアに何かしらの問題があると考えられ、セルフケアの効率的な方法の確認・指導、福祉用具などの導入を優先したほうがよい。

5→地域活動への参加を促進させる優先度は低い。なぜなら、本症例は、「セルフケアは時間がかかるが実施可能」とありセルフケアに何かしらの問題があると考えられるため。