63歳の男性。脊髄小脳変性症により在宅生活を送っている。重症度分類は下肢Ⅲ度(中等度)、上肢Ⅳ度(重度)である。日常生活で使用する福祉用具で誤っているのはどれか。
1→ポータブルスプリングバランサーは、筋ジストロフィー、腕神経叢麻痺、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症、多発性筋炎、Guillain-Barre症候群などで適応となる。わずかな力しかない場合でも上肢を動かすことができるためリーチ動作の低下・筋力低下を代償できるものである。重症度上肢Ⅳ度の脊髄小脳変性症では手先の動作は拙劣であるが上肢の動作は保たれるので適応とならない。
2→キーボードカバー付きパソコンは、振戦があっても他のキーに触れずに目的のキーだけを押すことを補助するものである。脊髄小脳変性症などの運動失調がある患者に用いられる。
3→重症度分類、下肢Ⅲ度から、ふらつきが強く、転倒のリスクが高い状態である。シャワーチェアーは必要である。
4→重症度分類、下肢Ⅲ度から、ふらつきが強く、転倒のリスクが高い状態である。ポータブルトイレは必要である。
5→重症度分類、下肢Ⅲ度から、ふらつきが強く、転倒のリスクが高い状態である。歩行器は必要である。