1→上腕三頭筋腱は上腕骨後面にあるので、損傷の可能性は低い。上腕三頭筋は上腕後面にある筋。長頭、内側頭、外側頭の3頭からなり、長頭は肩甲骨の関節下結節から、外側頭は上腕骨外側面から、内側頭は上腕骨後面から起こり、3頭が合して尺骨肘頭に停止している。
2→上腕二頭筋腱は上腕骨前面にあるので、損傷の可能性は低い。
3→画像はモンテジア骨折(尺骨骨折と橈骨頭脱臼が同時に生じる外傷)である。橈骨輪状靱帯は橈骨の関節環状面を輪状に取りまく靱帯で、尺骨の橈骨切痕前縁から出て後縁に着いている。画像は、橈骨と尺骨が乖離していることから、橈骨輪状靭帯が損傷されている可能性が高い。
4→方形回内筋は、画像の骨折部位よりも遠位にあるので損傷の可能性は低い。起始は尺骨下部1/4前面で、停止は、橈骨下部1/4前面である。
5→長掌筋腱は、骨折していない橈骨側(内側)を走行している筋。損傷の可能性は低い。起始は上腕骨内側上顆、前腕筋膜内面で、停止は手掌腱膜。