1→MS fatigueとは多発性硬化症による疲労のことである。Borg指数は運動強度を示し、15は「きつい」に分類される。疲労感が強い多発性硬化症患者に対して、「きつい」運動強度の運動を提供することは、不適切である。
2→Uhthoff(ウートフ)徴候は、多発性硬化症の特徴的な症状である。体温の上昇に伴って神経症状が悪化し、体温の低下により元に戻る。Uhthoff徴候に対して、室温を25度以下に設定して運動を行うことは、Uhthoff徴候を起こさせない対処として、正しい。
3→漸増抵抗運動とは、軽度の負荷から最終的に最大負荷を与える運動方法である。多発性硬化症患者に対して行うことは、負荷量が強く症状の増悪を招く恐れがあることから、不適切である。
4→Frenkel体操とは、運動失調障害のある患者に対し、視覚の代償を用いて、固有感覚入力の強化、協調運動の再獲得を目指す目的で行われる。脊髄性運動失調や小脳性運動失調患者に使用される。多発性硬化症に対して適応はないことから、不適切である。
5→有痛性強直性けいれんとは、持続の短い痛みを伴い、四肢が硬直する症状である。運動により誘発されるため、他動的関節可動域訓練を行うことは、不適切である。