1→拮抗失行とは、準備された一方の手の運動に対し、反対側の手が患者の意思に反して妨害的に働き、運動が中断または完遂できない状態をさす。大脳皮質基底核変性症などで生じる。
2→左右失認とは、左と右の区別がつかなくなる状態である。左を示すように指示をしても困惑したり右手を示すという症状が認められる。左頭頂葉角回の障害によって生じる。
3→運動性失語とは、言語音の表出に基本的な障害がみられる。言語理解は発話に比べて良好であるが複雑な文章の理解は難しいこともある。言語機能は左大脳半球にあり、前頭葉ブローカー野(運動性失語中枢)を中心とした前頭葉の障害によって正じる。
4→社会的行動障害とは、感情を適切にコントロールできなくなり不適切な行動をとる状態のこと。発動性低下、意欲低下が見られる一方で感情爆発などの症状が見られることもある。主に前頭連合野の障害によって生じる。
5→左半側空間無視は、主に障害側の対側への注意が病的に低下し、存在しないかのように振る舞うことや、左側のおかずを食べ残す、左側の物にぶつかるといった場面も見られる。右半球損傷後に高頻度に認められる。図は右頭頂葉の障害を示し。左半側空間無視生じる可能性が高い。