79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。
この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1→詩吟は、患者の趣味の一つであるため導入しやすい。病前から慣れもあり、疲労も少なく取り組みやすい。自己効力感も得られると考えられる。詩吟は、作業療法導入時に適切である。
2→問題文に「洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。」という記載があり、洋裁をすることは自信を失い自己効力感を得られにくい。
3→問題文に、「HDS-Rが10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた」という記載があり、能力を上回る活動である計算ドリルを行うことは自信喪失につながる。自己効力感は得られないため、計算ドリルは不適切である。
4→問題文に「洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。」という記載があり、家事に含む献立づくりは自信喪失につながるため、自己効力感は得られにくい。献立づくりは適切ではない。
5→Alzheimer型認知症は空間認知の低下があるため、立体パズルは不適切である。立体パズルは自己効力感は得られにくい。