1→活動量は目標体重に達してから増やすのは正しい。神経性無食欲症はボディイメージの障害があり、痩せているのに太っていると思い込み、無謀なダイエットを続けて発症することが多い。ボディイメージを修正し、目標体重に達してから活動量を増やすのがよい。
2→早期から高カロリーの栄養補給を行うことは適切ではない。高カロリーの栄養補給は、拒食が続いて身体的危機が迫っている段階で開始するのがよい。まずは経口摂取から開始し、決められた通りに食べれば太らないことを体験してもらう。
3→全身状態の安定より先に行動療法を行うことは適切ではない。全身状態が安定してから行動療法を行うのがよい。神経性無食欲症は、時に極度の低栄養状態を呈する場面もあり、身体リスクも大きいため、全身状態の安定の優先順位は高い。
4→食行動の問題が改善するまでの入院継続は適切ではない。食行動の問題は、日常生活を送る中で少しずつ改善していくものである。完全に食生活の問題が改善しなくても重篤な身体症状や精神症状がなくなれば、外来治療に移行していくのがよい。
5→入院中に食行動の問題があったとしても、重篤な身体症状や精神症状が持続している場合は入院を継続する。入院中に自己誘発性嘔吐がみられたときでも退院させることはしない。