1→F波とは、心房細動波とも呼ばれ基線の細かい動揺である。下図にはみられないことから、不適切である。
2→異常Q波とは、Q波の幅が0.04秒以上、かつ振幅がR波の4分の一以上のものである。本症例の心電図は、Q波が深いことから異常Q波を認めるため、正しい。異常Q波は、陳旧性心筋梗塞患者によく認められる。
3→δ波とは、QRS波の立ち上がり部分にみられう三角形状波のことである。WPW症候群などの早期興奮症候群において認められる。下図にはみられないことから、不適切である。
4→PQ間隔は、房室伝導を反映する。PQ間隔の0.21秒以上の延長は房室ブロックで認められる。下図は延長はみられないことから、不適切である。
5→ST低下とは、ST部が通常より下がった状態である。心筋虚血や心肥大などで認めるが、その他に貧血や電解質異常でも認める。下図は、ST低下ではなくST上昇がみられることから、不適切である。