1→Broca失語(ブローカー失語:運動性失語)は、前頭葉後下部の運動皮質のすぐ前方の障害にて生じる。グローカー失語は、言葉の理解は出来るが言葉を発する事が出来ない失語のことである。
2→他人の手徴候は、脳梁膝部と脳梁体部前半、右前頭葉内側部の障害にて生じる。他人の手徴候のメカニズムは十分に解明しておらず、左手が他人の手のように不随意で無目的な行動を行い、自分の意志とは関係ない行動をしてしまう症状のことである。
3→半側空間無視は、側頭頭頂接合部(下頭頂小葉)の障害で最も生じやすい。右利きの患者が、右半球に脳血管障害を生じると半側空間無視の症状がみられることことから、問題文のCT画像は、半側空間無視で正しい。
4→Gerstmann症候群(ゲルストマン症候群)は、頭頂葉の側頭葉側境界に近い角回や縁上回の障害にて生じる。また、ゲルストマン症候群は、優位半球(左脳)の障害とされ、手指失認、左右失認、失書、失算の4つの症状がある。
5→超皮質性感覚性失語は、側頭後頭葉移行部、側頭葉、頭頂葉または前頭葉の障害にて生じる。超皮質性感覚性失語は、滑らかな発語は可能であるが、言い間違い(「時計→メガネ」)の症状が頻発し、内容にそぐわない事が多い。また、言語理解は低下しているが、復唱能力は保たれている事が特徴である。