1→純粋失読は、読みが選択的に障害されている病態である。自発語、書字、聴理解は保たれているのに、文字の理解や音読ができない。しかし文字を指でなぞると読めることがある為、なぞり読みや空書など運動覚促進効果を期待した訓練をすると良い。
2→物体失認は、物体の視覚性認知が困難となる。絵を用いたり、触覚や聴覚など他の感覚を利用して認知を促す。物品の色名呼称は不適切である。
3→手指失認とは、自分の指が「何指」かがわからない病態である。手指名の呼称などを行い認知を促す。握り・放しの運動は主に麻痺に対して行うものであり不適切である。
4→地誌的障害とは、熟知した場所がわからない、その場所を思い出せないといった病態である。道順を示すなどして認知を促す。都道府県名の列挙は、主に認知面の低下(言葉の流暢性)に対して行うものであり不適切である。
5→左半側空間無視とは、視力の問題とは別に左側の空間の認識が出来なくなる病態である。左側のものへ注意を向けられる様、練習や指導を行う。絵の呼称は不適切である。