1→重症筋無力症の病変部位は神経筋接合部であるため、深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
2→深部健反射の亢進がみられるのは、上位運動二ューロンが障害されたときである。多発性硬化症は、上位運動二ューロンの障害であり、深部腱反射は亢進する。中枢神経の白質の至るところに炎症性の脱髄性病変が発生し、多彩な神経症状が再発と寛解を繰り返す。
3→Guillain-Barré 症候群は、免疫、炎症性末梢神経の障害であり、深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
4→筋強直性ジストロフィーは、筋原性疾患であり、深部腕反射は亢進せず、減弱を伴いやすい。収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。
5→Duchenne型筋ジストロフィーは、深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。骨格筋の変性、壊死が主病変で、進行性の筋力低下をみる遺伝性の筋原性疾患である。