1→不眠はてんかん発作を誘発しやすい。不眠の他には、①驚いたとき、②不安なとき、③光のちらつきを目にしたとき、④ストレスが加わったとき、⑤疲れているとき、⑥お薬を飲み忘れたとき、⑦ゲームをしているときなどでもある。それらの誘因は、患者によって異なる。
2→重症度の評価に知能テストは、有効であるとは一概にいえない。知能は正常であるてんかんもある。側頭葉てんかんや小児欠神てんかん、Jacksonてんかん、覚醒時大発作てんかんなどで、知能が正常である場合が多い。
3→てんかん発作時に、意識障害が必発とは一概にいえない。なぜなら、単純部分発作は、意識障害を伴わない。複雑部分発作は、意識障害を伴う。
4→West症候群の発症のピークは、乳幼児(4~12か月)である。
5→明らかな脳器質性の原因が認められるのは、特発性てんかんではなく症候性てんかんである。特発性てんかんは、成長とともに発作が自然に消失することが多く、予後は比較的良好である。一方、症候性てんかんは、脳の病変が原因で起こるてんかんで、先天的な奇形や腫瘍、血管障害、神経変性疾患などがある。症候性てんかんは、特発性てんかんよりも発作の制御が難しく、抗てんかん薬で効果が得られるケースは半数程度である。予後は不良になる。20歳以上で発症する場合は、症候性てんかんの可能性が高く、特に高齢者では脳血管障害や変性疾患によるものが多い。