17歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。
この患者でみられやすい症状はどれか。
1→意識変容は、意識障害の一種で、幻覚や錯覚、思考の混乱や不安、興奮など異常な言動が生じている状態で、急性脳症・非痙攣性てんかん重積状態・脳卒中・中枢神経系感染症・薬剤性・心因等により生じる。
2→観念奔逸は、双極性障害でみられることが多い。考えが次々と浮かびだんだんと考えがずれてくる状態をいう。
3→強迫観念は、主に強迫性障害でみられる。自分では不合理だとわかっていても絶えず頭に浮かんできてしまう状態をいう。
4→思考制止(思考抑制)は、主にうつ病でみられる。思考の進みが遅く停滞してしまう状態をいう。
5→連合弛緩は、統合失調症でみられることが多い。思考過程異常であり、個々のアイデアに論理的な結びつきがなくなって話の文脈にまとまりがない状態をいう。