1→誇大妄想とは、ある物事や自分の現在の状態を、実際よりもはるかに大げさに評価して、事実であるように思い込むことである。王家の出身であると信じる血統妄想、神の子と信じる宗教妄想、偉大な発明をしたと信じる発明妄想、有名な俳優を恋人と信じる恋愛妄想が含まれる。問題文には「自分は不老不死の薬を開発して人類を救う」とあることから、誇大妄想の症状と考えられる。
2→作為体験とは、自我の能動性障害であり、自分の考えや行動が、他人に操られていると感じる体験のことである。「他人に~させせられる」というような「させられ体験」のことである。
3→妄想気分とは、周囲の世界が何となく変化し、何か大きな事件が起こりそうな予感を持つ状態のことである。妄想の準備段階とも言える。
4→妄想知覚とは、突然ある知覚に対して、特別な意味付けがなされ、そのまま確信される現象のこと。例として「犬が吠えたのは、自分に不幸なことが起きるのを教えている」等がある。
5→妄想着想とは、突然ある誤った考えが思いつき、そのまま確信される現象のことである。例として「私は神の子であると急にわかった」等がある。問題文には「~突然わかった」とあることから、妄想着想の症状と考えられる。